自習室の開業を検討している方が最も気になることのひとつが、「開業してから本当に軌道に乗るのか」ということではないでしょうか。
この記事では、私が実際に経験した開業1年目の稼働率・売上の推移を公開します。きれいごとなしの、リアルな話です。地域や顧客ターゲットによっても大きく変わると思いますので、あくまでも参考程度でお願いします。
ちなみに、当店では社会人から学生をターゲットにしています。割合でいくと、8割学生、残り2割が社会人となります。
開業1年目の稼働率推移
私は12月に1店舗目をオープンしました。以下が1年目のおおよその座席数に対する稼働率の推移です。
| 時期 | 稼働率 | 状況 |
|---|---|---|
| 12月〜2月 | 約10〜20% | 受験シーズン・認知ゼロからのスタート |
| 3月〜5月 | 約10% | 受験生の解約後、新規契約も非常に少なく、最も苦しい時期 |
| 6月 | 回復傾向 | 徐々に会員が増え始める |
| 7月〜8月 | 約100% | 夏休み需要でほぼ満席 |
| 9月〜11月 | 約70〜80% | 夏休み明けに一定数の解約あり |
| 12月〜1月 | 約100% | 受験シーズンで再び満席 |
| 2月 | 約80→50% | 受験終盤 |
やはり、3〜5か月が最も苦しく、夏休みを境に大きく回復するという流れです。これはどこの自習室も同じ傾向ではないでしょうか?社会人をうまく取り入れることができれば、もう少し安定するかと思います。毎年、2月〜3月は解約ラッシュとなるため、そういうものだと覚悟しましょう!笑
時期別の実態
開業当初(12月〜2月)赤字スレスレ(ちょい赤字)でのスタート
12月オープンは、受験シーズンと重なるタイミングでした。
需要がないわけではありませんが、認知ゼロの状態からのスタートのため、ほとんど集客できませんでした。
稼働率は約10%〜20%。収支は少し赤字程度でなんとか乗り切れました。
この時期に救われたのは、会社員として収入と運転資金を事前に確保していたことです。赤字でも慌てず、運営を続けることができました。
3月〜5月:最も苦しい閑散期
ここが最大の山場でした。
受験シーズンが終わり、新年度が始まるこの時期は自習室の需要が落ち込みます。売上は赤字状態が続きました。
ただ、この時期に運営の見直しや料金体系の見直しを行う時間が取れたことは、長期的にプラスに働きました。
忙しくなってからでは対応できない改善を、閑散期にじっくり進めることができました。
6月:転換点
6月終盤ぐらいから会員が増え始めました。
夏休みを前に「塾や自宅では集中できない」という学生層が勉強場所を確保するために動き始めるタイミングです。
この時期から口コミが広がり始め、認知が少しずつ上がっていきました。
7月〜8月:夏休み需要で満席
夏休みに入ると、稼働率はほぼ100%。
席が足りないほどの需要になりました。開業から半年以上かかりましたが、ここで初めて「やっていける」という手応えを感じました。ただ、ここで売上の限界を感じたタイミングでもあります。
9月〜11月:安定期へ
夏休みが終わると稼働率は70〜80%に落ち着きます。
ただ、夏休み期間中に「ここなら集中できる」と感じた利用者が継続してくれたことで、会員数の底上げができていました。
12月〜2月(2年目):受験シーズンで再び満席
2年目の受験シーズンは、稼働率が再び100%近くに。
1年目との大きな違いは、すでに認知と実績があることです。既存の会員に加えて新規利用者の最後の駆け込みの両方で席が埋まりました。
2年目以降:地域での認知が上がると閑散期も変わる
2年目以降は、前年度と比べて閑散期でも売上が3〜4倍になりました。(元々が少なすぎたのですが。。)
これは、その地域での認知度の積み上げによるものです。ただ、売上は大きくスケールできないのが、この自習室事業の悩み。できることは、固定費の見直しの徹底と、単価を上げる工夫が必要となってきます。
1年目の3〜5月(稼働率10%)と、2年目の同じ時期を比べると、会員数・売上ともに大きく増えました。
開業初年度のスロースタートは、決して失敗ではありません。認知と実績を積み重ねることで、翌年以降の閑散期が劇的に変わります。なので、半年〜1年ぐらいの運転資金は余裕をみてスタートしてください。
開業前に準備しておくべきこと
1年目を振り返って、開業前にやっておくべきだったことを整理します。
1. 運転資金は最低6か月分を用意する
開業直後は、どれだけ準備をしていても認知がゼロの状態からのスタートです。
売上がほぼない時期が続いても運営を継続できるよう、最低6か月分の運転資金を手元に確保しておくことをお勧めします。また、別の収入ルートを確保しておいた方がいいでしょう。間違っても、フランチャイズに加入をして開業前に会社を退職し、一念発起で始めるものではありません。自習室であれば会社員を続けながらでも、十分開業できます。
運転資金の目安:
- 家賃
- 光熱費
- 各種サービスの月額費用(スマートロック・防犯カメラ・ウォーターサーバーなど)
- 広告費
これらの合計の6か月分が、最低限の備えです。
おおよその価格感は、以下の記事で確認できますのでご参考までに。

2. 閑散期を「改善期間」として使う
3〜5月のような閑散期は、売上が少なく気持ち的にも辛い時期です。
しかし、忙しくなってからでは対応できない改善を進める絶好のタイミングでもあります。
私が閑散期に行った改善:
- 料金プランの見直し
- 店内案内・掲示物の整理
- 利用規約の整備
- 集客施策の見直し
運用に影響の出る、利用者の多い夏休みや受験シーズンにこれらをやるとクレームになります。閑散期を有効活用してください。
3. 開業タイミングを意識する
12月オープンは、受験シーズンという需要がある時期と重なり、赤字スレスレ(ちょい赤字)で乗り切れました。今思えば、もう少しゆっくりと5月〜6月頃の開業がベストなのかもしれません。
一方、個人的に最も避けたい開業タイミングは9月です。やはり8月の繁忙期はしっかり押さえておきたいところです。9月からオープンしてその年度の受験シーズンに集客ができなかった場合に、次の収穫期の8月までに資金が尽きるリスクが高まります。
開業タイミングの目安(個人的):
- 推奨:5月〜6月(夏休み需要に乗れる)
- 注意:9月〜11月(資金計画に十分な余裕が必要)
4. スロースタートを怖がらない
最初の数か月、会員が集まらないことへの焦りは誰もが経験します。これは、自習室に限らずビジネスをやっていると避けて通れないところだと思います。
しかし、スロースタートにはメリットもあります。
- 少ない会員数の段階で運営の問題点を発見・修正できる
- 料金体系や利用規約を柔軟に見直せる
- 繁忙期に備えた準備時間が取れる
最初から満席では、改善の余地がなくなります。スロースタートは、長期的な運営、よりよいお客様へのサービスの土台を作る期間だと捉えてください。
まとめ
自習室の開業から軌道に乗るまでのリアルをまとめます。
✓ 最初の3〜6か月は認知ゼロからのスタート。赤字を覚悟する
✓ 運転資金は最低6か月分を事前に確保する
✓ 閑散期は改善期間として活用する
✓ 夏休み・受験シーズンが需要の山。そこまで耐えられるかが勝負
✓ 2年目以降は認知が上がり、閑散期でも売上が大きく変わる
冒頭でもお伝えしたとおり、地域や顧客ターゲットによっても大きく変わると思いますので、あくまでも参考程度にしていただきたいのですが、開業直後の苦しい時期は、必ずどこかで終わります。そこまでは焦らず、手元の資金を守りながら、着実に認知を積み上げることが最重要です。
開業の資金計画や運営の立ち上げについて相談したい方は、お気軽にDMまたはお問い合わせフォームからご連絡ください。

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