自習室運営サポート、番外編です。
今回は少し毛色の違う話をします。「自習室を副業で始める前に知っておきたいこと」についてです。
自習室に興味を持っている方、開業を検討している方にこそ読んでほしい内容です。夢を壊したいわけではありません。むしろ正しい準備をして、長く続けられるオーナーを増やしたいと思っています。事前に現実を知っておくことで、正しい判断と準備ができると思っています。実際に店舗を運営している立場から、正直にお伝えします。
① 初期費用が思った以上にかかる
自習室は仕入れが不要なため、店舗ビジネスの中では比較的安全な部類だと思われがちです。しかし副業としては初期費用がかかりすぎます。
テナントを借りて開業する場合、内装工事・設備・家賃の敷金礼金などを合わせると300万〜500万円程度は見ておく必要があります。さらに開業後しばらくは会員が集まらない時期が続くため、運転資金として100万円程度は別に確保しておくべきです。
基本的に、借入無しで自己資金で開業を強くおすすめします。売上が安定しない時期に借入をした場合、毎月の返済・家賃・光熱費を払い続けながら、経営判断をしなければならず、精神的な余裕がなくなります。余裕のない状態では正常な経営判断や会員への接客も難しくなります。
万が一うまくいかなかった場合、毎月の固定費が手出しで発生し続けます。借入がある場合は早期撤退の判断を迫られる可能性もあり、精神的にも非常に辛い状況になります。しっかりと資金計画を立てた上で動くことが、長く続けるための第一歩です。
サラリーマンにおすすめの副業はやはり、初期費用が少なく場所に縛られない、本業を活かしたコンサルやブログ・アフィリエイト・せどりだと感じます。本業をさらに伸ばすような副業に専念することが大切です。早期撤退が簡単にできること・売上の上限がないところも、これらの副業の大きなが魅力です。
② 売上に上限がある
自習室の売上は座席数によって決まります。いくら繁盛しても物理的な上限があり、それを超えることはできません。
正直に言うと、この自習室ビジネスだけでお金持ちになることはできません。売上を増やすためには店舗を横に広げるしかなく、そうなると今度は管理コストと労力が増えていきます。
しかし裏を返せば、収益の上限が見えているビジネスは計画が立てやすいとも言えます。売上目標・損益分岐点・必要な会員数を事前に試算した上で、現実的な戦略を持って臨むことが可能です。

③ 売上の波がある
自習室の利用者は学生が中心のため、季節によって売上が大きく変動します。受験が終わる3月から夏休み前までは学生の利用が減り、売上も確実に落ちます。社会人の勉強需要も一定数はありますが、廻りの同僚を見渡してみてください。その中に見込み顧客は何人ぐらい居そうですか?自習室を利用して、毎日勉強に励む社会人は非常にまれだと思われます。その社会人を安定的に集客するのは、非常に難しいと考えます。
この売上の波に対して固定費は変わらないため、閑散期の資金繰りを事前に考えておく必要があります。繁忙期にしっかり稼いで閑散期に備えるという意識を持っておきましょう。
④ 転勤・生活環境の変化に対応できない
店舗を構えるビジネスである以上、場所に縛られます。当然、将来転勤の可能性がある方、親の介護などで引っ越す可能性がある方には正直おすすめできません。
会社員として副業で店舗経営を始めたはいいが、転勤が決まって店舗をどうするか困った、というケースは実際にあります。開業前に自分のライフプランと照らし合わせて慎重に判断してください。独立して自由になるために始めたはずの事業で身動きが取れなくなってしまう、というのは避けたいところ。開業前に5年・10年先のライフプランを考えておくことが、長く続けるための重要な準備です。
⑤ 参入障壁が低く競合が増えやすい
自習室は開業のハードルが比較的低いため、近隣に競合が増えやすいビジネスです。大手の参入や自習室の乱立が起きると、低価格競争に巻き込まれるリスクがあります。
差別化できない自習室は価格を下げるしかなくなり、せっかく積み上げた収益が一気に圧迫されます。だからこそ、最初から「自分の自習室ならではの強み」を明確にしておくことが重要です。立地・設備・雰囲気・サービスなど、他との差別化ポイントを持った自習室は、競合が増えても価格を下げずに戦えます。
⑥ 公共サービスの拡充で市場が不安定になりつつある
最近では図書館などの公共サービスの拡充が進んでいます。また、放課後に学校の教室を自習室として開放する取り組みを始めた学校も増えています。無料で使える勉強場所が増えると、有料の自習室の需要が圧迫される可能性があります。
設備の充実・快適な環境・コミュニティ感など、有料だからこそ提供できる体験を磨くことが、今後の自習室運営のカギになると感じています。
それでも私が自習室を続けている理由
ここまで現実的な話をしてきましたが、私が2店舗を運営し続けている理由をお伝えします。
まず、地域の学生や社会人が集中して勉強できる場所を作ることに純粋にやりがいを感じています。お金持ちにはなれないかもしれませんが、地域に必要とされる場所を作れるこのビジネスは、私にとって大きな価値があります。
独立することで収入は一時的に下がりましたが、会社員時代にはなかった「自分の時間」を手にできました。
また、自分のお店を持つことは想像以上に楽しいです。「今日はここを改善しよう」と考えながらお店がどんどんよくなっていく過程は、DIY好きの方には特に向いているのではないでしょうか。自分のアイデアを誰の承認も取らずにすぐ行動に移せます。会社員はどれだけ頑張っても他人のビジネスのお手伝いとなりますが、自分のお店を持つとそれは、紛れもなく自分のビジネスです。売上が不安定な時期もありますが、すべて自分の責任で動いた分だけ結果として返ってくるのがこのビジネスの醍醐味です。もちろん定年もありません。さらにお客様から温かいお言葉をいただいたり、自分よりもはるかに若い学生と交流できることも、この仕事ならではの楽しさです。
これから副業で自習室を始めたい方は、まず「なぜ副業をしてまでお金が必要なのか」を自分に問いかけてみてください。少しでも安定した収入をただ増やしたいという理由であれば、店舗を構える副業はおすすめできません。むしろその初期費用300〜500万円を不動産投資の初期費用に回した方が、リスクも少なく安定した収入を得やすいと思います。
しかし「自分のお店を持ちたい」「地域に貢献したい」「自分が理想とするサービスを提供したい」「定年を気にせず働きたい」という想いがあるなら、このビジネスはその気持ちに応えてくれます。
それでもやりたい方へ:フランチャイズではなく自分のブランドで
このビジネスを始めたいと思っている方は、少なくとも多少のリスクを取ってでも「自分でお店を持って独立・起業してみたい」という気持ちがある方だと思います。そのような方にはぜひ、フランチャイズではなくご自身のブランドで開業・運営していただきたいと思っています。同じリスクをとるのであれば、ぜひご自身のお店を持つべきだと思います。
フランチャイズだと、自分がやりたいこと・提供したいサービスが制限されます。また、利益のおいしい部分が毎月本部に吸い上げられていく仕組みになっています。
これから開業・起業される方は、この辺りのことも慎重によく考えて、検討を重ねてほしいです。ご自身で本当の意味での独立を果たすことができると、人生が非常に楽しくなるのではないかと思います。
まとめ
自習室を始める前に押さえておきたいポイントをまとめます。これを知った上で動けば、成功確率が大きく上がります。
- 初期費用300〜500万円+運転資金100万円を把握して資金計画を立てる
- 収益の上限を理解した上で現実的な戦略を持つ
- 季節変動を見越した資金計画を事前に立てておく
- ライフプランとの相性を開業前に確認する
- 差別化戦略を持って競合に備える
- 公共サービスに負けない独自の強みを作る
ここまで現実的なことを書きましたが、最後まで読んでいただいた方はすでに他の誰よりも覚悟を持って一歩先に進んでいます。それでもやっぱりチャレンジしてみたいという方は、事前にしっかり試算と準備をしてから動いてください。
開業を検討している方も、すでに経営されている方も、不安な点やわからないことはお気軽にDMまたはお問い合わせフォームからご相談ください。一緒に作戦を考えます。

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