自習室運営サポート、はじめました。の番外編・IoTシリーズ第3回です。
前回はSwitchBotを使った照明・エアコンの自動化についてお伝えしました。今回は自習室の防犯カメラについてです。
「防犯カメラってなんか高そう」と思っているオーナーさんも多いかもしれません。ただこれは、個人用途の民生品のもので十分です。そして、絶対に導入すべき設備だと思っています。備品の紛失・落書き・忘れ物問い合わせへの対応・店内の混雑確認など、運営のあらゆる場面で防犯カメラが活躍しています。後から追加はしないところになりますので、オープン前に導入されることをオススメします。私が実際に導入したVIGIとTAPOの組み合わせを中心に、選び方・設置方法・運用のコツまで詳しくお伝えします。
自習室に防犯カメラが必要な理由
自習室は無人・省人で運営することが多く、スタッフが常駐していない時間帯が生じます。そのような環境では、防犯カメラが「目」の役割を果たします。
私が実際に防犯カメラを活用している場面はこちらです。
トラブル発生時の確認
備品の紛失や落書きなどのトラブルが発生したとき、防犯カメラの録画を確認することで状況を把握できます。証拠として残すことができるため、会員とのトラブル解決にも役立ちます。
忘れ物の問い合わせ対応
会員から「忘れ物をした」という問い合わせが来たとき、カメラ映像を確認することで「いつ・どの席に置いてあったか」を特定しやすくなります。
エアコン・家電の動作確認
私の自習室ではSwitchBotのBOTでエアコンをスケジュール制御していますが、実際にON・OFFになっているかを目視確認するためにも防犯カメラを活用しています。アプリ上のログだけでなく、映像で確認できるのは安心感があります。
店内の混雑状況の確認
予約システムのデータで利用状況は把握できますが、実際の混雑度合いは映像で見る方が直感的にわかります。「今日は何人来ているか」をスマホからサッと確認できるのは、無人運営の強い味方です。
抑止効果
防犯カメラが設置されていること自体が、不正利用や迷惑行為の抑止になります。カメラの存在を会員に周知することで、モラルの高い利用環境が維持されます。
VIGIとTAPOの組み合わせを選んだ理由
私が導入したのはTP-Link製のVIGI(法人向け)とTAPO(個人向け)の2ブランドです。同じTP-Linkのブランドでありながら、用途によって使い分けています。TP-Link製というと、中華製で敬遠される方も多いと思いますが、無線LAN機器では世界シェアNo.1です。そして何より他のメーカーよりも安価に最新のネットワーク技術を手軽に試すことができます。また、防犯カメラに関しては、インターネット用ルーターやWi-Fi機器と違い、故障や機器トラブルの緊急性が高くないため、いかに安価にシステムを構築するかを考えた結果となります。
VIGI構築内容
防犯カメラのシステムを構築するのに必要なものが以下となります。
NVR(ネットワークビデオレコーダー)とPoEカメラ
私の店舗ではPoE対応のNVR(ネットワークビデオレコーダー)に4台のVIGIカメラを接続して店内を監視しています。NVRに接続することで映像が一元管理でき、録画データを後から確認する際も非常に便利です。
具体的には、NVR(NVR1104H-4P)とカメラ(VIGI C240I 2.8mm)の組み合わせで使用しています。カメラレンズは2.8mmと4.0mmがありますが、広角の2.8mmで店内をなるべく広範囲に確認し、カメラ台数を減らしながらも死角を減らすような配置設計にしています。
TP-Linkに限らず、購入時はカメラがPoE(Power over Ethernet)対応か、NVRがPoE対応かを必ず確認してください。PoEとはLANケーブル1本で映像データと電源を同時に供給できる仕組みです。電源コンセントを別途用意する必要がなく、電源工事が不要となります。天井や壁に防犯カメラを取り付ける場合は、PoE対応のカメラとLAN配線が必須です。
またLAN配線を業者へ依頼する場合は、LAN配線がcat6以上か必ず確認してください。cat6で十分すぎると思いますが、ネット回線を10G契約されている方や、将来を見越した構築をしたい方はcat6aで依頼をしてください。
TAPO(Wi-Fi接続、バッテリー運転)
一方でTAPOはWi-Fi接続のカメラです。LAN配線工事が難しい場所・電源工事のコストが高い場所には、TAPOをWi-Fi接続、バッテリー運用することで柔軟に対応できます。
私の店舗ではドアの入口と店内入口すぐの2箇所にTAPOを設置しています。この場所はLAN配線を引くのが難しかったことと、店舗入口は電源がなかったため、TAPOが最適な選択でした。
この組み合わせにより、LAN配線工事を必要最低限に抑えながら、店内全体をカバーする監視体制を低コストで構築することができました。

(入退室とエアコンのON/OFFを目視で確認)

(日々の運用で確認することはほぼありません)
録画の保存方法と容量の目安
VIGIの録画保存(NVR+HDD)
VIGIはNVRにHDDを接続して録画を保存します。私は2TBのHDDを取り付けていますが、実際には1TBで十分だと感じています。
自習室の運営上、録画を遡って確認するのは2〜3日以内がほとんどです。それ以上前の映像が必要になることはほぼありません。そのため、大容量のHDDを用意する必要はなく、コストを抑えた構成で十分です。
ただしHDDの選定には注意が必要です。一般的なパソコン用HDDではなく、監視システム専用のHDDを使用することをおすすめします。監視カメラの録画は24時間365日連続して書き込みを続けるため、一般用HDDでは耐久性が不足し、早期に故障するリスクがあります。
TAPOの録画保存(SDカード)
TAPOはSDカードに録画を保存します。256GBのSDカードで十分です。こちらも2〜3日分の録画があれば運用上問題ありません。もしかすると、128GBでも十分かもしれません。
VIGIとTAPOを使ってみた感想
良かった点
設定が非常に簡単で、スマホからリアルタイムで映像を確認できます。専門的な知識がなくても導入できるレベルです。月額費用がかからないため、ランニングコストがゼロという点も大きなメリットです。クラウド録画サービスを使うと月額費用が発生しますが、NVR+HDD・SDカードのローカル保存であれば維持費が不要です。
気になった点
VIGIとTAPOはTP-Linkの同じグループのブランドですが、管理アプリが別々です。VIGIはVIGIアプリ、TAPOはTAPOアプリで管理するため、映像を確認する際にアプリを切り替える手間が生じます。これは少し不便に感じる部分です。
ただし初期費用と維持費を最小限に抑えるという観点では、このVIGI+TAPOの組み合わせが現時点でのベストだという結論に至っています。
設置時の注意点
死角をなくす配置を意識する
カメラの設置場所は「死角をなくすこと」を最優先に考えてください。入口・トイレ出入り口・各エリアをまんべんなくカバーできる配置を検討しましょう。実際に設置する前に、スマホのカメラで撮影範囲をシミュレーションしておくと確認しやすいです。
プライバシーへの配慮と利用規約への明記
防犯カメラを設置している場合、必ず利用規約と店内掲示の両方に明記してください。 会員が知らないまま録画されていた、というトラブルは絶対に避けなければなりません。
また、備品の紛失・落書き・不正利用などのトラブルが発生した際に、録画データを警察へ提出する可能性もあります。その点についても事前に明記しておくことで、後々の対応がスムーズになります。
利用規約への記載例:
【防犯カメラの設置について】
当店舗では、会員の安全確保および店内の安全管理を目的として、店内に防犯カメラを設置し、録画を行っています。
- 撮影した映像は、盗難・破損・トラブルの調査・解決のために使用します。
- 映像データは一定期間保存後、自動的に上書き消去されます。
- 映像データは原則として第三者へ提供しませんが、警察・司法機関等から法令に基づく要請があった場合はこの限りではありません。
- 映像データを警察へ提出する場合があります。
- 防犯カメラの映像に関するお問い合わせは、お問い合わせフォームよりご連絡ください。
ご利用の際はあらかじめご了承ください。
店内掲示用
【防犯カメラ設置のお知らせ】
安全管理のため、店内に防犯カメラを設置しています。
録画映像はトラブル対応・警察への提出等に使用する場合があります。
費用まとめ
| 項目 | 費用 |
|---|---|
| VIGI カメラ(4台) | 4万円 |
| PoE対応NVR | 2万円程度 |
| HDD(1TB・監視用) | 2万円程度 |
| TAPO カメラ(2台) | 2万円程度 |
| SDカード(256GB・2枚) | 1万円程度 |
| LAN配線・電源工事 | 10万〜20万程度(作業依頼範囲による) |
| 月額費用 | 0円 |
初期費用はかかりますが、月額ゼロで運用できる点が最大のメリットです。クラウド録画サービスや、サブスクタイプの防犯カメラシステムと比較すると、数年で初期費用を回収できます。電源工事は電気工事士の資格が必要かと思いますが、もし電気工事が不要であれば、LAN配線工事に関しては、家電ショップでLANケーブル15Mなどを購入してきて、自分でLANケーブルを買って配線してしまうのも手だと思います。そうすると、機材の費用だけで済みます。
まとめ
自習室に防犯カメラを導入するポイントをまとめます。
- 防犯カメラはトラブル対応・忘れ物確認・混雑把握・家電動作確認など多用途に活躍する
- カメラは基本PoE対応の有線接続・NVRで一元管理。店内の主要箇所に設置
- 電源工事やLAN配線が難しい箇所は、Wi-Fi接続で柔軟に対応
- NVRのHDDは1TBで十分。監視システム専用HDDを選ぶこと
- TAPOのSDカードは256GBで十分(たぶん128GBでもいける)
- 録画は2〜3日分あれば運用上は問題なし
- アプリが別々になる点は許容範囲。初期費用と維持費の安さが上回る
- 利用規約への明記は必須。店内掲示も忘れずに
防犯カメラの導入について詳しく聞きたい方は、お気軽にお問い合わせフォームまたはXのDMからご連絡ください。

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