自習室の料金設定の考え方【3回の価格改定で学んだこと】

自習室運営サポート、はじめました。の第6回です。

前回は内装・設備のチェックリストをお伝えしました。今回は自習室運営の中でも特に悩む方が多いと思われる「料金設定」についてです。

料金設定に正解はありません。地域・立地・競合・ターゲット層によって最適な料金は異なります。私が実際に試行錯誤した経験をもとに、私なりの料金設定の考え方と実践的なポイントをお伝えします。

目次

1年目は「実験期間」と割り切る

料金設定で最も大切な心構えをお伝えします。それは「1年目は実験期間と割り切ること」です。

テナント物件は365日24時間、あなたの資産です。この空間をどのように活かすか、最初から答えを出せる人はいません。実際に運営してみないとわからないことが山ほどあります。

また利用者さんもどんなに長くてもおおよそ1年で卒業(退会)されます。逆に、失敗しても1年後には全てリセットされていますので再出発ができるということです。

私は1店舗目の1年間を実験期間と位置づけ、データを取りながら料金体系を調整していきました。結果として合計3回の価格改定を行いました。最初から完璧な料金設定を目指すよりも、まず動いてみてデータを積み上げることをおすすめします。また、さまざまなサービスもこの期間に色々試してみることをおすすめします。あなただけの独自のサービスが将来の差別化につながる大切な期間です。

24時間営業は必要ない

開業当初、私はテナント物件をフルに活かすために24時間営業を検討していました。しかしすぐにやめることにしました。理由は4つです。

まず需要があるかどうかわからないこと。次に夜間の電気代・管理コストがかかりすぎること。また24時間営業では清掃が行き届かず衛生面に問題が出ること。そして夜間の防犯リスクです。やはり私も、夜はぐっすり眠りたいところです。

結果、朝6時〜22時の営業時間からスタートし、そこから調整していく方針にしました。

1年間の運営データから見えてきたこと

1年間運営してみて、利用傾向がはっきりと見えてきました。この結果からも、深夜に利用される方はほぼいないと思われましたので営業時間の考えに方ついては、間違っていなかったと結論づけました。

時間帯利用傾向
朝6時〜8時ほぼ需要なし。朝活の需要はほぼなかった。
平日日中需要が非常に少ない
平日・土日の朝8時以降お客様が来始める
夕方以降学生の利用が活発になり満席近くになる

この結果をもとに現在は営業時間を朝6時から朝8時に変更しました。開店時間を遅らせることで電気代と管理コストを削減できました。

料金体系は「月額+ドロップイン」の2本柱がシンプルでベスト

開業当初は回数券も導入していましたが、現在は廃止しました。理由は回数券の管理コストが意外とかかるからです。また、回数券があることで会員管理が煩雑になります。本当に利用したい方はドロップインでも来てくれます。

現在の料金体系はシンプルにこの2つです。

月額プラン(メイン)

安定した収益の柱です。会員が増えるほど固定収益が積み上がります。ドロップインを経験して気に入った方が移行する流れを作ることが大切です。

ドロップイン(従量制)

あくまでも月額プランへの入口の位置づけです。「まず試してみたい」という方の受け皿として機能します。また、繁忙期は、座席数の関係でドロップインの受け付けをお断りすることもあります。結果、それが月額会員の優位性をもたせることにつながりました。

時間帯別料金設定のポイント

私の店舗では曜日・時間帯によって料金を変えています。イメージとしては「平日の夕方までは破格・夕方以降はそれなりの金額」です。

この設定にした理由は2つあります。

ひとつは需要に合わせた価格設定です。需要が少ない平日日中は価格を下げて利用者を呼び込み、需要が高い夕方以降は適正価格で提供します。

もうひとつは収益の安定化です。時間帯別に料金を設定することで、閑散時間帯にも一定の利用者を確保しながら、繁忙時間帯でしっかり収益を上げる構造を作れます。

必要最低限の選択肢があることで、まずはライフスタイルにあわせた利用を顧客自身に考えてもらうことが大事だと思います。イメージが行動をより具体化すると考えています。

3回の価格改定から学んだこと

1年目に行った3回の価格改定の経緯をお伝えします。自習室は売上の上限が決まっているため、満席にした後は、価格の見直し、付加価値サービスの提供などで顧客単価を上げる活動が必要となります。

第1回:値下げ

最初は近隣の競合よりも強気で少し高めで設定していましたが、集客が思うように伸びませんでした。そこで若干の値下げを行うと集客が伸び、おかげさまで満席になりました。

ただ正直に言うと、値下げのタイミングと集客が伸びたタイミングがたまたま重なっただけで、値下げしなくても同じ結果だったのかもしれません。毎月の給与収入があり借入もなかったにもかかわらず、少し焦ってしまいました。値下げは慎重に判断すべきだったと今でも思っています。

第2回:新規会員のみ値上げ

会員数が上限近くになると、次は顧客単価、利益率を上げたくなります。私は、決済システム側の調整を行うことで、既存会員は価格を据え置きのまま、新規会員のみに対して価格改定を行うことができました。結果、既存会員の離脱を防ぎ、値上げをしてもきてくれる、新規の優良顧客の獲得を行うことができました。またその過程で、自習室内の混雑を緩和させ、よりよい環境づくりができたと思います。

第3回:営業時間の変更で実質値上げ

やはり、露骨な値上げはしにくいです。そこで、営業時間を朝6時から朝8時に変更しました。これにより早朝の利用がなくなり、実質的な値上げができました。また、オプションの追加を行い少なからず顧客単価をあげることができました。

料金設定で失敗しないための3原則

1年間の試行錯誤から学んだ3つの原則をお伝えします。

① 最初は競合より少し安めに設定する(キャンペーン適用)

最初から高単価を狙うと集客に苦労します。まずは会員を集めることを優先してください。満席になったあとから価格を設計をする方が精神的にも楽です。自習室は地域密着ビジネスなので、まずは集客を行い実績を作っていくことが大切です。

② 値下げやキャンペーンは慎重に値上げは新規会員に対してのみ行う

値下げやキャンペーンは簡単にできますが、後から値上げや通常料金を定着させることは難しいです。値上げしたい場合はまずは露骨な価格改定よりも、営業時間・プラン内容の見直しで対応する方が会員への影響を抑えられます。また、決済システム側で対応が可能であれば新規会員のみに対して、値上げを行うことで既存会員の離脱を防ぎ、収益を上げることが可能です。

③ シンプルな運営とする

回数券は管理コストと手間がかかる割に収益への貢献が小さいです。月額プランとドロップインの2本柱でシンプルに運営する方が、値上げやキャンペーンなどの運用変更等も柔軟に対応でき長続きすると思います。

まとめ

私なりの自習室の料金設定のポイントです。これは地域や立地、ターゲットによって大きく変わるところだと思いますので、あくまでも参考程度にしてください。

  • 1年目は実験期間と割り切り、データを取りながら調整する
  • 需要データを見て営業時間を最適化する
  • 料金体系はシンプルisベスト
  • 時間帯別料金で閑散時間帯にも利用者を呼び込む
  • 最初は競合より少し安めに設定して会員を集めることを優先する
  • 値下げは慎重に。値上げはまずは営業時間・プラン内容の見直しで対応する

料金設定についてお悩みのオーナーさんはお気軽にDMまたはお問い合わせフォームからご相談ください。実体験から率直にアドバイスします。

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