自習室運営サポート、はじめました。の第3回です。
前回はお金の準備として、固定費の把握や事業用口座・経費管理ツールについてお伝えしました。今回からは3回にわたって、私が実際に導入した「店内IoT」についてお話しします。第1回目はスマートロックです。
自習室の無人運営を実現するうえで、スマートロックは欠かせない設備のひとつです。「どれを選べばいいかわからない」という声をよく聞くので、私が実際に比較検討した経緯と、導入後のリアルな感想をお伝えします。

(もしもの時も物理カギで入室可能です)

(このサムターンを回してロック解除)
なぜスマートロックが必要なのか
自習室の運営で最も大変なことのひとつが、「鍵の管理」です。
スタッフが常駐していれば問題ありませんが、無人・省人で運営しようとすると、会員の入退室をどう管理するかが課題になります。物理的な鍵を会員に渡す方法もありますが、紛失リスクや複製リスクがあります。暗証番号式の鍵もありますが、番号が他人に知られてしまうリスクが拭えません。
スマートロックを導入することで、会員ごとに固有のアクセスコードを発行し、入退室の履歴をリアルタイムで把握できるようになります。不正利用の抑止にもなりますし、何より「鍵の管理」という手間から解放されます。
また、テナント物件を365日、24時間有効に使う場合は、各利用者の生活プランにあわせたプラン設計が必要です。そうなると、月額プランの時間利用帯に合わせたアクセスコードの発行が必要になり、また夜間帯等のトラブル軽減、信頼性重視で考えると、法人でも活用されている以下の2社を候補として選定しました。
また、想定する運用を満たしてくれる予約システムや会員管理システムとのスマートロックとの連携も考慮する必要があります。予約システム、会員管理システム、決済システムについては別記事で紹介をしていきます。

RemoteLOCKとAkerun(アケルン)で迷った
当初、スマートロックについて調べながらSwitchBot・セサミロック・BITLOCK PROなど様々な製品を検討しました。
安価なスマートロックだと、工事不要(両面テープ貼り付け)などもありましたが、やはり管理の手間や、機材に少しでも不安要素があると本業や運用に集中できないかと思いました。また、スマートロックはあくまでも鍵なので、ソフト面の利便性も大事ですが、ハード面を十分と考慮するべきではと考えました。
商品の耐久性・信頼性・保守性・将来的な拡張性(API公開の有無)を考慮して、私が最終的に検討したのはRemoteLOCK(リモートロック)とAkerun(アケルン)の2製品です。どちらも自習室やコワーキングシステム、ジム、オフィス向けのスマートロックとして有名で、機能的には大きな差はありません。決め手になったのはやはりコストです。
実際に試算してみると、こうなりました。
※こちらは私が1店舗目の開業当時の参考価格です。2025年10月に別の店舗用でRemoteLOCKに見積もり取得した際は、工事費込で167,000円(税抜)でした。(機種:9j)
| 2024年開業当初 | RemoteLOCK(9j) | Akerun |
|---|---|---|
| 初期費用 | 約166,500円(工事費込・税抜) | 無料 |
| 月額費用 | 2,200円 | 約20,000円 |
| 1年間の合計 | 約193,000円 | 約240,000円 |
| 2年間の合計 | 約219,000円 | 約480,000円 |
Akerun(アケルン)は初期費用を0円と大きく抑えられますが、月額費用がRemoteLOCKに比べ高いため、長期的に見るとRemoteLOCKの方が大幅に安くなります。最終的にAkerunは創業キャンペーンで月額費用を期間限定でかなり安く紹介していただきましたが、それでも、私の場合は2年以内に逆転する計算になったため、RemoteLOCKを選びました。ただ、営業の方の対応などは、Akerun(アケルン)の方が非常によかったです。長期的な価格に大きな差がなければ、Akerun(アケルン)を選定していたと思います。
ただ、自習室のように毎月の固定費を抑えることが収益改善に直結するビジネスでは、ランニングコストの低さは非常に重要な判断基準です。また、AkerunはBluetooth接続によるアプリから解錠操作でしたが、RemoteLOCKは、Wi-Fi接続で単純なPINコードの入力による解錠なので、そこの安心感もありました。Akerun(アケルン)の場合、アプリに障害が発生すると解錠ができなくなる懸念がありましたが、RemoteLOCKの場合は、登録されているPINコードを入力すればとりあえずの解錠操作は可能です。(非常用のPINコードをいくつか登録しておくことをオススメします)
実際に導入してみて
導入工事はスムーズで、2〜3時間程度で完了しました。(音は結構でるので、他のテナントさんへの事前共有はしておいた方がいいと思います。)工事は既存の扉を加工して、RemoteLOCKを取り付けします。ここが両面テープ貼り付けのスマートロックとの大きな安心の差です。
取り付けが終わると、引き渡しとなり、Wi-Fi接続やクラウド設定は自分で行う必要があります、サポートドキュメントは充実していますが、ネットワークにある程度知見が無いと少し難しいかもしれません。私も、Wi-Fi接続のところで少し苦戦しました。
スマートロックを導入してよかったことは、やはり入室管理が完全に自動化されたことです。会員の予約ごとに時間制限のあるPINコードを発行しているので、誰がいつ入室したかをスマホからもリアルタイムで確認できます。不特定多数の入室ができない仕組みがスマートロックのお陰で実現できました。また、ある程度の不正利用の抑止にもなりますし、トラブルが起きたときの確認も簡単です。
一方で、正直に言うと気になる点もあります。店舗を退館する場合の、退出管理がRemoteLOCK単体ではできない点です。退出時は、ノブを回してドアを開けます。この時に、ドアが解錠されたことは検知しますが誰が解錠したのかまでは分かりません。その点、Akerun(アケルン)だと、ドアの内外からの解錠操作がスマホのアプリからになるので、店内の出入り両方を確実に管理できる仕様となっています。店内の利用人数を確実に把握したいかたは、Akerun(アケルン)が候補になるかと思います。ただ、前述のとおりAkerunのスマホアプリに障害が発生した場合は、どのように解錠操作をして店内から退出するのかという不安もあり、退出に関してのデメリットをメリットとして選定しました。私の場合は、店内の防犯カメラと予約システムの予約時間でおおよその店内利用者の人数把握を行っています。
まとめ
スマートロック導入のポイントをまとめます。
- 無人・省人運営には入退室管理の仕組みが必須
- 予約システムによってどこのスマートロックと連携可能か事前に確認
- RemoteLOCKとAkerun(アケルン)の最大の違いは月額コスト
- 初期費用は高くても、長期的にはRemoteLOCKが有利
- 将来的にAPIによる拡張性のある商品か確認
スマートロックの導入を検討しているオーナーさんは、まず「月額コストを何年分で回収できるか」を試算してみてください。その数字が、製品選びの一番の判断基準になります。スマートロックをどこの会社にするか決めてから、予約管理システムや会員管理システムを選定されてもいいと思います。
API公開しているシステムの場合は、将来の拡張性があり運用にあわせた以下のような柔軟な対応が可能です。

導入について詳しく聞きたい方、「どのスマートロック、予約管理システムが自分の自習室に合うか相談したい」という方も、お気軽にお問い合わせフォームからご連絡ください。一緒に考えます。

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