自習室開業の物件選びとは?立地・設備・収益試算を実体験で解説

自習室運営サポート、はじめました。の第4回です。

前回はお金の準備として、固定費の把握や事業用口座・経費管理ツールについてお伝えしました。今回は自習室開業の中でも特に重要な「物件選び」についてお話しします。

物件選びは開業後の収益を左右する最重要の意思決定です。物件選びを誤ると、どうにもならなくなってしまいます。私自身、会社員をしながら副業として2店舗を開業した経験をもとに、実際にやってよかったこと・失敗したことを正直にお伝えします。

目次

自習室に向いている立地とは

自習室の主な利用者は、学生・社会人・資格取得を目指す方です。この3つの層が集まりやすい場所を選ぶことが、集客の基本になります。※私の経験では、立地もあるかもしれませんが中学生の需要はほぼありませんでした。

私が物件を選ぶときに特に重視したのは以下の2点です。

駅からの距離

徒歩5〜10分以内が理想です。自習室は毎日通う場所なので、アクセスの良さが継続利用に直結します。駅から遠いと、最初は来てくれても徐々に足が遠のく傾向があります。

学校・高校の近く

学生の利用が多く見込める立地として、高校や大学の近くは非常に有望です。定期試験前や受験シーズンに安定した集客が期待できます。またその場合は、駐輪場がある物件か、または近くに公共の駐輪場や、自転車を停めることができる商業施設の近くが絶対的にオススメです。

私の場合、会社員の副業として始めたこともあり、自宅と会社の両方から通いやすい駅近の物件を選びました。また仕事で車で市街地を走ることが多かったため、移動中に空きテナントや人が集まるエリアを観察して物件を探していました。日常の中でアンテナを張り続けることが、良い物件との出会いにつながります。副業で開業される方は、自宅と会社の間がベストだと思います。

ビルの2階以上がおすすめな理由

物件を探すとき、通りに面した1階のテナントにこだわる必要はありません。むしろ2階以上、できれば最上階をおすすめします。

理由は2つあります。

ひとつは静かな環境が保てることです。自習室は静粛性が命です。1階は通行人の声や車の音が入りやすく、集中の妨げになります。上階になるほど外部の騒音が減り、自習室に適した静かな環境が作りやすくなります。

もうひとつは家賃が安いことです。同じビルでも上階になるほど家賃が下がる傾向があります。通りから視認性の悪い上層階は敬遠されがちで、交渉次第でさらに有利な条件で借りられることもあります。固定費を抑えることが収益改善に直結する自習室ビジネスにおいて、この差は大きいです。ただし、夏は暑いのでエアコンの効き少し悪くなる可能性も。

必ずチェックすべき設備のポイント

物件を内見するときに、必ず確認してほしいポイントがあります。

トイレは男女別が絶対おすすめ

自習室には男女問わず利用者が来ます。トイレが共用だと女性利用者が敬遠する大きな原因になります。私の1店舗目はトイレが男女共用だったため、後からトイレを増設しました。工事費用も手間もかかりましたし、最初から男女別のトイレがある物件を選んでおけばよかったと今でも思っています。

床はカーペットがおすすめ

これは私の失敗経験からお伝えします。2店舗目をフローリングの物件にしたのですが、2つの問題がありました。ひとつは寒々しい雰囲気になること。もうひとつは椅子のキャスター音が部屋に響くことです。自習室は静寂が売りなので、キャスター音が響くのは致命的です。カーペット床であれば音を吸収してくれますし、温かみのある雰囲気も演出できます。フローリングの物件を選んでしまった場合は、カーペットや防音マットを敷くことで対応できますが、最初からカーペット床の物件を選ぶ方が理想です。

エアコンは動作チェックを忘れずに

絶対にエアコンは電源を入れて、動作を確認してください。異音や匂いなど気になる点があれば、契約前に指摘をしてオーナーに対応してもらってください。

照明はLEDかチェック

蛍光灯の場合は、今後蛍光灯が手に入らなくなるため、LEDに交換してもらえないか確認してください。私は、オーナーが対応してくれなかったため、知り合いの電気工事士にLED化の工事をしてもらいました。蛍光灯は交換の手間や、今後手に入らなくなるため、これから物件を借りる場合は、必ずLED化をしておきましょう。

上下隣のテナントが騒々しくないかチェック

気に入った物件が見つかったら、平日、土日と時間帯を変えて内見された方がいいです。平日と土日で近隣の人の流れが変わったり、平日の昼は気にならなかったけど、土日の週末は騒がしいなどのテナントを借りた後で予期せぬトラブルを未然に防げます。

水道があるかどうか

ウォーターサーバを自習室内におかれることを検討される方も多くいらっしゃると思います。水道があるのであれば迷わず、水道直結型のウォーターサーバーにしましょう。水ボトルの交換の手間、費用を考えても水道直結型が絶対おすすめです。ちなみに、私も自習室で利用しているおすすめを以下にリンクしておきます。近所の無印良品店も同じものを利用していました。

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座席数と収益の試算

物件の広さを決めるときは「何席置けるか」から逆算して考えると判断しやすくなります。私の経験では以下の目安で考えています。

広さ座席数の目安
約50㎡20〜25席
約100㎡30〜40席

客単価を月額10,000円と設定した場合、30席であれば満席で月30万円の売上になります。

コワーキングスペースなどの業態では、収容人数の2〜3倍の会員を受け入れるのが一般的です。ジムはもっと多いみたいですが。全員が同じタイミングで来ることはないからです。ただし自習室は12月〜2月の受験シーズンにほぼ全員が来る傾向があるため、収容人数の2倍程度が何とか全員が常に座れる現実的な上限だと感じています。ジムの運営は無数の幽霊会員に支えられたビジネスモデルだということが改めて感じます。

会員数の増やし方としては、8月の夏休みが最初の繁忙期になります。ここで会員数と稼働率を確認しながら、受け入れキャパを見極めて運用するのがおすすめです。まー、前述の通り2倍ぐらいが適正ではないかと。いかに単価を落とさずに運営していくかが、サービスの質の向上と、売上の安定確保につながります。焦っても安売りをしないように。逆を言うと自習室のいいところは、長くても1年でお客さんが一巡してくれるところです。もし、1年目にあまり振るわなくても、2年目にリセットして大きく伸びることはあると考えています。信用と信頼、口コミによる地域密着ビジネスになります。またこの辺りの詳しいところは、別記事で紹介したいと思います。

会員数が最大の場合の収支イメージはこちらです(35席・最大70会員の場合)。

項目金額
売上(70会員 × 10,000円)700,000円
家賃△100,000円
水道光熱費△50,000円
システム・備品等△50,000円
利益500,000円

※あくまで試算です。稼働率・入退会などにより変動します。

固定費の中で最も大きな割合を占める家賃をコントロールすることが、自習室経営の収益改善に直結します。

物件を内見するときは、実際に椅子と机を並べるシミュレーションをして、何席置けるかを必ず確認しましょう。コンベックス(メジャー)を忘れずに持参してください。想像より狭く感じることがほとんどです。

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テナント交渉で確認しておくべきこと

物件が気に入ったら、契約前に以下を必ず確認してください。

  • 自習室として利用が可能か(不特定多数の出入り)
  • 夜間・早朝営業の可否と時間制限
  • 他テナントの業種確認(音や出入り時間の確認)
  • インターネット回線の引き込みについて
  • 普通借家契約か
  • 駐輪場、駐車場について(あるとラッキー)
  • ゴミ出しについて
  • 残置物や設備の故障時の責任範囲(エアコン・照明など)

まず不動産屋さんから聞かれると思いますが、自習室としての利用可否と夜間営業の可否は早めに確認してください。物件によっては「事務所利用のみ」と制限されており、自習室としての利用が認められないケースがあります。

また重要な注意点として、自習室から飲食店などへの業態変更はほぼ不可能と思っておいてください。逆(飲食店→自習室)は問題ないケースが多いですが、万が一自習室がうまくいかなかった場合の業態変更のハードルは非常に高くなります。契約前に必ず確認し、納得した上で進めましょう。

まとめ

自習室の物件選びのポイントをまとめます。

  • 駅徒歩5〜10分以内・学校の近くが集客に有利
  • ビル2階以上・最上階は静かで家賃も安くておすすめ
  • トイレは男女別が必須。後から増設は費用と手間がかかる
  • 床はカーペットが正解。フローリングはキャスター音が響く
  • ウォーターサーバーを検討している場合は、水道直結タイプがおすすめ
  • 広さは座席数から逆算し、家賃は月売上の30%以内に抑える
  • 夜間営業の可否は契約前に必ず確認(ビルのセキュリティーの関係もあるため)

物件選びは開業後に変えられない要素が多いため、慎重に時間をかけて選んでください。「この物件でいけるか」と迷ったときは、お気軽にDMまたはお問い合わせフォームからご相談ください。

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